彼:
つい最近、電子レンジでパスタを茹でる便利道具を買ったらしい。
主に野菜を蒸すのに使っているようだ。

後輩:
料理店のものにせよ、コンビニ売りのものにせよ、自作以外のパスタ料理を食べたことがない。
自分で美味しく作れるからいいのだ。


◆【20160824】
「ん、……ぐっ」
「せ、先輩? 大丈夫なのですか。今なんか、すごく何だか、『ぼきっ』みたいな音、鳴りましたけど……」
「いや、なに。案ずることはない。少しばかり、背中と腰の中間辺りに位置する骨が……」
「は、はい」
「爆散した」
「爆散っ!?」
「……」
「せ……せんぱーいっ!?」


◆【20160825】
「朝方、空を見上げてみたのですよ」
「ああ」
「そうしたら、視界一面、どこもかしこも雲ばっかりで。でもですね、曇り空ではないのです」
「ああ」
「雲の切れ間、天の裂け目。そこから見える遥かな青は、透き通りながら輝いていて。……まるで世界の終わりみたいな、まるで世界の始まりみたいな」
「ああ」
「それからですね。ふいに風が吹いてきたから、それが湿った強い風だったから、ああ、やっぱりなあって」
「ああ」
「嵐が来るのだろうなあ、と。ぼんやりと、そんな風に思ったりして」
「ああ」
「えへへ。それだけのお話でしたっ」
「ああ。……『それだけ』ではあるのだろうが、されど価値ある『それだけ』でもあっただろう」
「あはは、だといいですが」
「来るのだろうな。嵐が」
「来るのでしょうね。嵐が」


◆【20160826】
「ん……」
「うむ」
「降ってますねえ」
「ああ。降っている」
「吹いてますねえ」
「ああ。吹いている」
「……激しい雨と、狂おしい風。部屋の外は、厳しい世界。苦しい世界。でもそれは、閉ざした窓の向こう側、どこか遠い、遠い遠い、私とは関係のない場所でのことで」
「……」
「ねえ、先輩。ここは、先輩のお部屋は、先輩と私がいる場所は、きっと世界の果てなのですよ。二人ぼっちで閉じ込められた、世界の果てのとわの牢獄」
「牢獄、か。……だというのなら、誰が看守か。誰が鍵を持っているのか」
「看守なんて、もうどこにもいないのです。どこかで死んでしまったのです。滑って転んで、頭をぶつけるか何かして」
「ふむ。そして鍵は暗渠か何かに落下して、下水道の底で錆びて果てたか」
「あはは、ですです。違いないです」
「そうであるなら、二度とここから出られはしないな。俺達は」
「でも、出られなくても構わない。……いえ、それこそがいい」
「ああ」
「雨音はエレクトロニカみたいに心地よく、冷房は程よく効いていて、鶏団子鍋も美味しいですし。もはや言うことなしですよ」
「それに加えて、俺はビールが美味いしな」
「あはは。悪い大人です、先輩は」


◆【20160828】
「ふと朝目が覚めたとき、身体がゴリラになっていて、そして記憶も消えていたなら」
「……ゴリラ?」
「苦しかったことも忘れて、好きだったものも忘れて、そんなものはどこにもなくて、これから何かに悩むことさえなくて、……そのひとは、ゴリラになったそのひとは、幸せであると呼べるでしょうか?」
「幸福の定義、か。……幸いとは、果たして何であるのだろうな。自らが良ければそれでいいのか。彼を見る他者も幸いでなくてはならないのか。一概に、均一に、決め付けていい問題ではないのだろう」
「ん……」
「……しかしだな。敢えて問おう。聞かせて貰おう」
「先輩?」
「何故、ゴリラなんだ」
「え、ええと、……何ででしょう?」


◆【20160829】
「あの、先輩。ちょっこっとばかり、現金な話なのですが」
「構わないが……何と言うべきか、珍しい口火切りだな」
「あー、あはは。本当に現金なお話なので、やっぱり遠慮がありはしちゃって」
「まあ、何だ。『何を今更』と言わざるを得ん。……君と俺との関係性だ。言うだけ言ってみればよかろう」
「じゃあ、ええと。……その、先輩」
「ああ」
「昭和三十二年製の十円玉、お持ちじゃないですか? もし持っておられたら、買い取らせて頂きたいのですけれど――」
「――現金の話!」


◆【20160830】
「……涼しいな。風が」
「涼しいですねえ、風が……」
「遥かな空で、夏と秋とが行き交っている。そうした季節の移ろいを、強く感じざるにはいられまい」
「ええ。これは、きっと、秋の風です。夏を終わらせ、秋を始める為に吹く風です」
「俺は……」
「ん。先輩?」
「毎年毎年、この風を肌に感じたそのときに、遣り切り難いもの悲しさを覚えてしまう。どうしようもない人恋しさを覚えてしまう」
「……先輩」
「あたかも段ボール箱か何かに詰められて、道端に捨てられているような気分だ」
「す、捨て先輩!?」
「にゃーん」
「にゃーん!?」
「拾ってくれるだろうか」
「拾いますけど! 台車に載せて帰りますけど!」


◆【20160831】
「ねえ、先輩」
「……」
「仕方ないのです。憎悪は仕方ないのです」
「……」
「嫌いなもの。どうしても認められないもの。絶対に許せないもの。繕ったって、誤魔化したって、そういうものはそういうもので、どうしようもなくあるものだから」
「……」
「どうしてそれが憎いのか。どうしてそれが厭わしいのか。皆に好かれているものを、自分はどうして嫌悪してしまうのか。……そんなこと、考えたって仕方ないです」
「……」
「憎いは憎いでいいのです。嫌いは嫌いでいいのです。押し殺さなくていいのです。包み隠さなくていいのです。先輩が先輩として生きる為に、先輩を先輩たらしめる為に、それも必要なものだから」
「……」
「でも、もしも誰かが、先輩の憎悪を否定するなら。先輩が、何かを嫌いであることを、『それはだめだ』と切り捨てるなら。『ものを憎んではならない』なんていう、安い正義を押し付けるなら。……その時は、私は、私だけは」
「……」
「先輩の何もかもを。先輩の抱える憎しみを。先輩の真っ黒なところまで。全部残らず、欠片も余さず抱き締めるから」
「……」
「だから、いいのですよ」


◆【20160901】
「学校に行きたくなかったからか、今朝はとても変な夢を見ました」
「悪夢の類か。大変だったな」
「あはは……。大変でしたよ、色々と」
「兎にも角にも、久々となる登校、お疲れ様だ」
「うぅ。撫でて撫でてー……」
「勿論だ。……ほら」
「先輩の手だー……あたまがとけるー……」
「……。して、夢とは?」
「あー……、ええと。はい、夢。夢の内容ですね」
「うむ」
「その。まず状況設定として、先輩が、硬めのパン生地みたいなお姿になっていて」
「何だと?」
「だから私は、お料理しなきゃなあと思って。ちょっとづつ水を足しながら、先輩を捏ねて捏ねて、耳たぶぐらいの柔らかさにして」
「……」
「先輩に粉をまぶして、ちょっとはたいて、それから百八十度の油の中に――」
「――待て。すまん。もういい。そこから先は聞きたくない」


◆【20160902】
「……最近。どうにも感じてしまうことには」
「先輩?」
「世話をされてばかりいる。君に救われてばかりいる。あり難く思い、嬉しく思う。……だが俺は、君に何も返せていない。これでは先輩としての名折れじゃないか、と」
「え、ええと。そんなことはないですし、それにそもそも、私は私の全部を先輩に助けて頂いた身ですから。私の方こそ、お返ししていかないとなあと考えているのですけど」
「……悪い。傲慢な物言いをさせてくれ」
「は、はい」
「要するに、これは俺のエゴなのだろう。先輩としてのエゴなのだろう。君がどう感じていようがいまいが、俺は君に何かをしたい。君をどうにか喜ばせたい」
「ん。……あはは。そんな言い方をされちゃうと、後輩として、何かして頂かないわけにはいかないですね」
「すまん」
「いえいえ、謝られることじゃないです。……それで、先輩。具体的には、どういうことを?」
「月並みではあるのだが、贈り物などどうだろう」
「おお。いいですね、ぷれぜんと。何と言うか、今までの私達にはなかった文化です」
「新たな一歩を踏み出してみるのも悪くなかろう。……不躾な聞き方にはなるのだが、何か欲しいものなどあるか」
「む、……ふむむ。でしたらこう、そうですねえ。何か、当たり前のものがいいです」
「当たり前、か」
「先輩にとっての当たり前。私が知らない、先輩にとっての当たり前。そういうことを感じさせてくれるものがいいです」
「なるほど。……了承した。では、俺が好む酒肴の類。その詰め合わせなどどうだろう」
「わ。おつまみですかっ」
「ああ。おつまみだ」
「流石は先輩、分かってらっしゃる。それですそれです。そういうものが欲しかったのです」
「そういうものか」
「私はお酒を飲めませんけど、先輩の『好き』を感じたいから、飾りじゃない、本当の『好き』を感じたいから」
「そうか。だがまあすまんが、過度な期待は禁物だ。そこらで買える、するめや柿の種や何かだからな」
「それがいい、いえ、それこそがいいのです」
「であるのならば、幸いだ」
「……あ。でも、先輩」
「うむ」
「貝ひもは、別枠として同封して下さいね。私、甘目の貝ひも、好きなので」
「心得た」


◆【20160904】
「焦がしてしまえば、だいたい美味しそうに聞こえちゃいます」
「つまり?」
「焦がし醤油、焦がしバター」
「なるほど。……焦がしニンニク、焦がしラー油、然なる類か」
「ですですよ。焦がしねぎ、焦がし味噌、などなどと。概ね焦がしちゃいますよね、薬味とか調味料とか」
「焦がしラーメン、焦がしチャーハン、或いは焦がしキャラメルの如く、料理を焦がした類もあるな」
「ありますねえ」
「不思議なものだ。『焦がし』を『焦げた』に変えてしまえば、全て虚しき炭となるのに」
「焦げたバター、焦げたにんにく、焦げたねぎ、焦げた味噌……ああ、真っ黒で、フライパンにこびりついてる……」


◆【20160905】
「月並み、という言葉がありますが」
「あるな」
「あれってつまり、毎月の当たり前のことだから、『月並み』である、というのが語源だそうで」
「うむ。らしいな」
「月一回の恒例で、『月並み』。……なのだとしたら、もっともっと当たり前なことだったら、『日並み』『分並み』、『秒並み』とかもあるのでしょうか」
「ふむ。……しかし、『秒並み』の次元となれば、一体どういう行動が該当するのだろうか。一秒に一回のペースで為す行動。それこそ、『呼吸をする』ぐらいしかないんじゃないか」
「私が先輩を好きに思うのは、そのすぱんは、秒単位どころの話じゃないですよ?」
「あ、ああ」


◆【20160908】
「昨夜、就寝前の話だが」
「はい」
「久々に、漫画を読むなどしていてな。それもまた、大学生の青春模様を描いたものであるのだが」
「む、ふむむ。高校じゃなくて、大学生。とするとつまり、『学園もの』とはまた違った趣のある?」
「ああ」
「ふむふむ。それで?」
「精神がうわーとなって、わおわおーと暴れたり、布団に包まりじたばたごろごろーっとなったりしていたな」
「先輩の語彙が爆発した!?」
「……とまでは流石に言わないが。何はともあれ、何やら色々、感じ入ってはいたことだった」
「お、おお……何だかレアな先輩だ……」


◆【20160909】
「楽しい気分でいる時に、パスタを茹でて、明太子ソースを絡めて食べるのです。おいしいのです」
「うむ」
「苦しい気分でいる時に、パスタを茹でて、明太子ソースを絡めて食べるのです。おいしいのです」
「うむ」
「切ない気分でいる時に、パスタを茹でて、明太子ソースを絡めて食べるのです。おいしいのです」
「うむ」
「兎にも角にも!」
「兎にも角にも?」
「パスタを茹でて! 明太子ソースを絡めると! おいしいのです!」
「うむ。真理だな」


◆【20160910】
「ただいま帰りましたー」
「ああ。おかえり」
「と、……ん。おにぎり?」
「見ての通り。おにぎりだ」
「小皿のうえに、ちょこんと二つ。何だか可愛らしいですけれど、どうしましたか、先輩。小腹、空いちゃってました?」
「いや。……例によって三合の米を炊き、六分割してタッパーに詰めていたのだが」
「ええ」
「最後の一つを詰めるにあたり、ふと、『この米は、握られる為にあるではないのだろうか』と、宇宙の果てから智慧の光が舞い降りてだな」
「……ん?」
「かくして俺は手に塩を付し、炊き立ての米を握り飯へと転身させた。森羅万象なる運行、そのあるがまま。そこに君が帰って来たというわけだ」
「……ええと?」
「すまん。正直に言おう。――腹が減った減らぬではない。お握りが食べたかったんだ」
「あー、あはは。ありますよね、そういうことって」
「うむ。……我欲に付き合わせてすまないのだが、よければ君も食べてくれ」
「待ってましたっ。手、洗ってきますっ」


◆【20160912】
「立ち飲み屋はいい。これぞまさしく、文明だ」
「ふむむ、立ち飲み屋。……ううん、先輩もよく行っておられるようですけれど、うまくイメージ出来ません」
「俺も上手くは伝えられぬが、……まあ、名の如く、立って酒を飲む飲み屋だな」
「んーと……、立って飲むということは、当然ですけど、椅子はないのですよね?」
「ああ、ない。また言えば、独立したテーブルを持たない店舗が多い」
「つまりお酒を飲む場所は、カウンターとか、共同利用の長机とか?」
「そのようになる。無論例外もありはするがな」
「要するに、狭いのですね」
「狭いな。『鰻の寝床』という形容が、これ以上もなく似合う」
「じゃあ、その店内で、狭い立ち飲み屋さんの店内で、先輩は、どういう時間を過ごされているのでしょうか?」
「……それは」
「ん、先輩?」
「何と回答をするべきなのか、暫し悩んでしまっていてな。……まあ、基本的には、酒を飲む。ビールかハイボールかを」
「ふむふむ」
「枝豆、鶏の肝煮、フライドポテト、そうしたつまみも一つは頼む。そしてまた、個人経営の立ち飲み屋においては、日替わりの肴も捨て置けない」
「飲み屋さんでも、日替わりというのはあるのですね」
「あるな。その日手に入った食材で、出せるメニューを捻り出したという類のものが」
「あー。冷蔵庫の中を探って、そこから夕食を決めるようなものですか?」
「正鵠を射貫いた表現だ。まさしくそういうものだろう」
「ふむふむ」
「ポテトサラダや南蛮漬け、揚げ浸しなどがよくあるな」
「おお。それっぽい」
「うむ。それっぽい」
「……それで。先輩は、立ち飲み屋さんでお酒を飲みつつ、料理をつまんだりもしつつ、何をしておられるのでしょうか。何を考えているのでしょうか?」
「何もしてなどいないし、考えてなどもいないさ。ただ酩酊に促されるまま、ぼんやりジョッキを傾けながら、周囲を観察しているのみだ。聞き耳を立てているのみだ」
「ふむふむ……」
「飲み屋には、様々な者が集まる。様々な歓談がある。悩みの相談、仕事の愚痴、そして猥談」
「わいだん」
「すまん。しかしまあ、世間においては、猥談と酒は切っても切れぬ関係性にあるらしくてな。……兎にも角にも、どれもこれも、俺の人生とはひとひらの関わりもないことごとだ。同情などもしはせぬし、真面目に聞く必要もない。されど」
「されど?」
「何と言うのだろうか。それを聞き流しているのが楽しい。カウンターに肘を突き、ビールと肴をローテーションしつつ、ただその場にいるのが面白い。そこにいるのがが心地良い」
「おお……」
「うむ」
「つまるところに、空気、雰囲気、あともすふぃあを摂取する為にこそ、先輩は、飲み屋に足繁く通っているというわけなのですね」
「足繁くという程でもないが、違いない。空気、雰囲気、アトモスフィア。まさしく然り、その通りのものを求めている」
「ふーむむむ。なるほどなあ……」
「ふむ」
「ええ。勉強になることですよ」
「不道徳的教育だとは思うが……」


◆【20160915】
「梨の礫、なんて言いますけれど」
「うむ」
「梨もりんごもぶどうでも、また無花果やライチでも、どれでもいけないことなのですよ? くだものを投げたりしたら」
「そうだな。投擲などせず、器に盛って食すのがいい」
「私、梨は結構好きなのです」
「しゃりしゃりとした涼味が魅力的だな」


◆【20160916】
「辛いことも、苦しいことも、そりゃ幾らでもありますよ。それなのに、吐き出す場所も機会もない」
「ああ」
「だから。先輩」
「……ああ」
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ――」
「――プリズン」
「綴りが一文字だけ違う! でも意味合いとしてはそれっぽい!」


◆【20160917】
「今日はお掃除の日なのです。要のないものは捨てちゃいましょう」
「うむ。決断性が大事だな」
「もしかしたら、本当は、何も要らないのかも知れませんしね」
「それはまた、極端な」
「あー。マイソウルが君を探して彷徨ってますねー。全部あげちゃいそうですねー」
「……。まあ、何だ。せこい人間にはなるべきでない、ということか」
「あはは。ですですよっ」


◆【20160918】
「テコ入れの時期ですかねえ……」
「何だいきなり、出し抜けに」
「いやまあ、こう、アレですよ。私達、メインストーリーは一段落着いた感じではありますし、そろそろ新要素を追加してみる頃なのかなあ、と」
「ふむ」
「このままだらだら続けると、おもちゃも売れなくなっちゃいますし」
「なるほど。クリスマスも遠くないしな。勝ち抜かねばならないな、生き馬の眼を抜く商戦に」
「ええ。ですからこう、合体したり、新しい武器を手に入れたり、機体の色を塗り替えたりとかしませんと」
「ロボットアニメだったのか」
「などと言いつつ、先輩との合体は、つい最近達成しちゃいましたが」
「……嘘ではないが、ここで言及することか?」
「えへへ。ごめんなさーい」


◆【20160920】
「にゃんにゃんしたいなあ」
「……また唐突に。白昼堂々、大胆な」
「ん。大胆、ですか? 私はこう、語尾に『にゃん』とか付けたりしたいなあ、と」
「すまん。何でもない。認識するところにおいて、重大なる行き違いがあったらしい」
「むむ。ふむむ」
「……まあ、扨て置いて。何か、『にゃんにゃん』するのに差し障る、理由や事情があるというのか?」
「あー、それは。こう、何と言いますか」
「うむ」
「先輩、猫より犬派じゃないですか。それに私も、先輩の犬になりたい感じではありますし」
「……」
「でも時たまとして、猫になりたい日もあるのです。時たまだけに、猫のたま。それはもう、たまたまですよ」
「……理解した。適当に喋っているな、今の君は。さては眠いか」
「あはは。ばれたにゃん」
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